ペンギンカフェ
- 2021.01.12 Tuesday
- 00:44
今日1月11日、新国立バレエ団のニューイヤーバレエガラが、無料配信されました。
ペンギン・カフェ
昔、BSかクラシカジャパンで放送されたものを録画して初めて観たとき、本当に心が惹かれてこの作品に夢中になりました。
イギリスの振付家デヴィッド・ビントレーがサイモン・ジェフスの音楽にのせて振り付けた作品で、ペンギンやシマウマなど動物達が生き生きとそれぞれの命の楽しみ方を見せてくれます。
私はずーっとこの作品を劇場で観たくって、新国立バレエのラインナップを知った時も「わぁペンギンカフェを上演するんだ。コロナ禍でなければ東京まで観に行くのに・・(T_T)」と思っていました。
数日前に、この公演の中止が決まり、そのあと無観客ライブの無料配信が決まり、今日観れるのをとても楽しみにしていました。大変な状況下、大変な判断だったとは思いますが、このように地方に住んでいても観れる機会を作って下さった方々に本当に感謝します。
やっぱりペンギンカフェは何度観ても良いです(*^-^*) 好きな作品って心が踊りますね。
冒頭の優雅で流れるような音楽で、ペンギンのウェイター達がお洒落なアンサンブルを踊り、少しずつお客さんが増えてきて、社交ダンスの様に男女の組が踊ります。私はここのフォーメーションやアンサンブルの振り付けが本当に好きで、自然の豊かなリズム、例えば海の波のゆらぎや月の満ち欠けなど人間が手出しの出来ない大きな力を感じ心地よく生きている時間の尊さを感じます。
私がもっとも好きなシーンはシマウマの踊り。強い雄に魅力的な雌達。
まず女性ダンサー達の衣装と振り付けがすごくモードで格好いい。シマウマなのにとっても都会的に見え、モデルの集団のよう(^^)もちろんスタイル良く美しいバレリーナだからこそですが。
厳しいサバンナ社会での無関心や関心、生き抜く為の個人主義と団体行動みたいなものを感じて、最後はドキッとします。
熱帯雨林の家族の踊りはターザンスタイルで父、母、子供の3人で流れるように踊るのですが、物質主義の世界に対して、裸ん坊で何も持たない家族3人が、愛情や絆など目に見えないもので強くつながり、とても豊かに見えます。
この作品の大きなアイディアは旧約聖書のノアの方舟と聞いたことがあります。
「神様は万物を創成したとき、自然にも生き物にも優劣をつけず、皆を平等に愛され敬われた。」
でもいつしか人間が、その能力の高さを使い、様々な自然や生き物を自分達の支配下に置いてしまった為、人間は神の怒りをかった。
今日の新国立バレエ団の素敵なペンギンカフェを観て。
この普遍的なテーマを軽やかでお洒落で楽しく美しい音楽にのせて、可愛い動物の着ぐるみや衣装を用いて、心に強く響くメッセージとして届けるよう振り付けたデヴィッド・ビントレーを改めて尊敬しました。
もしまだ見たことのない方は是非探してみてください。
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